3Dプリンタで製作した機械式時計

DIY

今回のテーマは機械式時計。
これは別にカーボンニュートラルではなくただの趣味のDIYですね。
まあ自家製電気もある意味DIYなので同じ分類ということでご勘弁ください。
3DプリンタというのはDIY的な人にはホントに魔法の道具みたいなものだと思います。
自分のアイデアをローコストで簡単に具現化できちゃいますからね。
簡単に、、、は言いすぎでしょうか。。。
スキルを身につければ、、、ですね。
具体的には機械設計を理解して、3D_CADの使い方をマスターすることは必要でしょうね。
まあでも今どきはインターネットで調べればいろんな情報が転がってるし、有能なソフトウェアがフリーで入手可能だったりするので、やる気があれば何とかなっちゃうもんです。
ちなみに自分が愛用している3D_CADソフトは”FreeCAD”です。
オープンソースのフリーソフトなんですがなかなか有能です。
3Dプリンタに必要な3DモデリングのほかにCFD(Computational Fluid Dunamics)とかFEM(Finite Element Method)などの解析もできるんです、マスターすればですけどね。。。
でもインターネットにいろいろチュートリアルが出回っているので、気長にやればそのうちマスターできるんじゃないでしょうか。

FreeCAD: Your own 3D parametric modeler
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3DプリンタはAmazonなどで調べてもいろんな機種があるのでどれを選べばよいのかを迷います。
いろんなメーカーがあるし、値段も安いのから高いのまであってよくわからんです。
自分的におすすめはFRASHFORGEというメーカーの”ADVENTURE3”という製品。
というかこれしか使ったことないんですけどね。。。
この製品価格は安いけど、コンパクトだし操作は簡単で動作も安定しているしかなり満足度高いです。
もうちょっとサイズの大きなものを印刷したくなることはありますが、、もともと筐体がコンパクトなのでまあしょうがないですね。
FLASHFORGEは中華メーカーですがファームウェアのアップデートはちょくちょくしてるし、新製品もけっこう頻繁に出しているので優秀なメーカーだと感じています。

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最初は3Dプリンタを使ってちょっとした小物を印刷するだけでも結構感動でしたが、いろいろ習得してくると「なんかメカメカしい手の込んだもの」を作りたくなってきました!
”メカメカしい”っていうと目指すはやっぱり”機械式時計”じゃないでしょうか。
調べてみると「トゥールビヨン」という機構の機械式時計を3Dプリンタで製作している人はそこそこいるようですね。

3Dプリンターでぜんまい仕掛けのトゥールビヨン式時計を自作した猛者が登場、パーツデータや組み立て方法などを公開中
時計の心臓部には「テンプ」と呼ばれる一定の振動を生み出すパーツがあります。このテンプは重力の影響を受けやすいものなのですが、回転するキャリッジと呼ばれるパーツの中に組み込むことで重力の影響を解消し、時計の精度を向上させることができる複雑機構が「トゥールビヨン」です。そんなトゥールビヨン機構を搭載した時計を、なんと3Dプ...
3D-printed Watch with Tourbillon by TheGoofy
This is a mechanical watch with tourbillon driven by a 3d-printed mainspring. The watch has a Swiss lever escapement. The mainspring inside the going barrel kee...

トゥールビヨンの3Dモデルデータはフリーでダウンロードできちゃうこともわかったんですが、「簡単なほうに流れちゃうのはダメだ!」ってことでやめました。
やっぱ自力でがんばっていかなきゃね。
といっても機械式時計の構造とかぜんぜん知らないし、、、って場合もまずYOUTUBEで調べてみると何とかなるもんです。
いろいろ使えそうな情報がネットにはけっこう転がっているので。

ただ実際やっていると、、、、情報だけじゃ物はなかなかうまくできない、、、というのが実感です。
設計して、印刷して、やすりで部品を仕上げて、組み立てて、うまくいかないとこ再設計して、、、の繰り返しですね。
このへんの苦労話を記事にしようとすれば文字数は相当稼げますけど、書くのもうんざりなので割愛させてもらいます。

まあそんな何だかんだで完成させたのがこちらになります。
右側が1号機でゼンマイ式です。
左側が小型化を狙った2号機です。

1号機のポイントは”ぜんまい”でしょうか。
ぜんまいバネを3Dプリンタで印刷する方法も試しましたが、これはバネがへたるし時間もそんなに稼げないしで結局断念しました。
「なんか使えるぜんまいないかなあ?」とヒントを求めて100円ショップをうろついてたら、使えそうなものを発見できましたよ。
DIY用品売り場にある5mの巻き尺です。
巻き尺は引っ張って手を離すと勝手に戻ってきますが、これはぜんまいを使ってます。
ということで100円でいいぜんまいを入手することができました。

お風呂で遊べる3Dプリンターで全パーツを作る「ゼンマイ式」ボート /usePocket.com
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この巻き尺利用ぜんまいですが3Dプリンタのぜんまいと比べると荷重も安定しているし圧倒的に優秀なんですが、そうは言っても最大でも連続1.5hくらいしかもちません。。。
時針までちゃんと動くようにしたのに、これではまるで宝の持ち腐れ!
ということで2号機を作ろう!ということになりました。
2号機の駆動にはモーターを使ってます。
モーターといってもちょっと特殊な奴でAC電源で動く低速用の同期モーターと呼ばれるものです。
同期モーターはACの周波数60Hz(東日本)に回転数が連動しているモーターです。
とは言っても機械式時計の回転数は振り子が制御しているので、モーターの回転数は低速で安定してくれていればいいんですけどね。
ただ振り子の周期とモーター回転の周期ずれを吸収する機構を考案して組み込んであります。
まあ機構ってっても周期がずれた分は滑ってくれるだけなんですけどね。
あと1号機は「ちょっとデカいな。。。」っていうのがあって小型化を狙ってみました。
単純に部品を小さくできればっていうのもあるんですが、3Dプリンタで小さな歯車を精度よく印刷するのは無理なようだったので”遊星ギア”というのを採用してみました。
この”遊星ギア”というのはトヨタ車のハイブリッドシステムにも採用されている機構で動力分割や変速がコンパクトなサイズで可能ということなので使えるのではないかと。。。


この構造にするデメリットはズバリ「内部構造が見えにくいこと」ですね。
せっかくメカメカしいものを作ったからにはその構造が外観的にわかりやすいほうが嬉しかったんですが、遊星ギアを構成する内歯車がギアケースになっちゃっているので内部の動きが見えなくなちゃいました。
この点はちょっと残念です。
せめて透明フィラメントを準備しておけば良かったかも。。。。
まあそうはいってもちゃんと動くし小型化も達成できたので良しとしておきます。

しばらくの間、気合を入れて機械式時計の製作をしたので今はさすがにおなかいっぱいな気分です。
また新たな意欲が湧いてくるまでしばらく充電かなあ。。。

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